上海在住の中国人がJリーグを見た体験記

ニュース体験.jp / スポーツ, 旅行, 社会, , , / 公開日:2015/08/21

你好,といっても私は日本人なのですが、上海在住の中国人友人(毛くん=マオ↑くん)が日本に遊びに来てくれていて、「日本のサッカーリーグの試合が見たい!」と言うので、連れて行かせていただきました。日本語もまあまあ話せるので毛くん目線でいくつか興味深いと思う点を聞いてましたので、その体験記を簡単に記させていただきます。(8/16 浦和レッズvs湘南ベルマーレ@埼玉スタジアム)

毛くん「お祭りみたいだね!」


…ごめん、初っ端からだけど、毎回こうだと思ってもらったら困る。この日は埼スタ前はフェス的にいろんな企画がやっている日でした。でも喜んでくれているので、とりあえず盛り上がってるでしょう、と自慢しておきます。中国のスーパーリーグ(中超)ではスタジアム周りではあまり飲食を出す売店は出ない。逆にユニフォームをレジャーシート上で売る人たちがほとんどいない、ここのユニフォームは高すぎる!とのこと。すみません、道中にはいたんだけどね、バス乗っちゃったからね。。。

毛くん「子供が遊べる場所もあるんだね!」


ご、ごめんこれも… 普段は無いです。毛くん「中国スーパーリーグはあんまり子供行かない。あまり行かせない。ファンたちはみな地域の悪口をいう応援が多いから。特に北京や広州のチームとは本当に仲良くないから、暴言もすごいよ。」なるほど、そう考えればJリーグは家族でも来やすい良いレジャーだと思う。また、ゲート入場時にいろいろチラシや選手カードをもらって「これも毎回もらえるの?」と聞かれたので、それは自信を持ってそうだよ!と言えました。

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毛くん「美しいのスタジアムだね」


谢谢。そうなのだよ。埼玉スタジアムは日本を代表できる素晴らしいサッカー専用スタジアムだからね。2002年日韓ワールドカップでは中国隊は韓国側での試合だったようです。ちなみに中国人日本語あるあるでは中国語は形容詞+名詞の形の時に「+」の役割をするの「的」(de)という文字があるのですが、これを日本語訳で「~の」みたいに学ぶので、中国語の癖で「美しいスタジアム」を「美しいのスタジアム」とよく言ったりします。美味しいのお店とかかっこいいの人とか言ったりしがちです。

毛くん「国歌は流れないの」


今日は国際マッチとかじゃないから流れないよ。日本のクラブ同士の試合だから。と説明しましたが、違う。中国では国内同士でもいつもまず国歌が流れるそうです。すごいなー。そこは文化の違いだね。では国家で入場するのか、と聞くと、それはそれで異なり、そのあとホームチームごとの曲が流れるそうです。なるほど、浦和レッズのFIRST IMPRESSIONみたいなのがあるのね。ちなみに曲はEDM系だそうです。ダンサブルだなー。でもFIRST IMPRESSIONもかっこいいね、とのことでありがとうございます。ただ、この曲はサポーターは無視しているのか?とも聞かれました。んー難しいなあ。これを背景にしつつ、チャントを歌うのが気合が入るんだ、という感じなのだが、「どうせならこの曲に合わせて手拍子したり声を出せばいいじゃないか」と言われて、個人的にも納得しつつある軟弱サポの私です。

毛くん「好球!(ハオチウ!)」


私も中国語全く知らんわけではないので、中国人がこれを連発するのは慣れています。この「好球」(ハオチウ┘ ※┘は語尾上げる感じ)という言葉は、いわば「ナイスプレー!」みたいな意味です。漢字だけみると「nice ball」的な感じなので、良いパスやシュートに対していうものなのかなと初めて聞いた時は思っていたのですが、違うんです。キーパーのナイスセーブも、ディフェンスのタックルも、囮の動きでも、壁が飛んでなんとか頭に当ててシュートブロックしたとかでもみなハオチウを使うんです。さらにいうと素晴らしい視点でのパスがちょっとしたずれで合わなかった場合に我々は「惜しい!」みたいに言ったりしますが、あまり中国人にその「惜しい」を表す観戦用語は無いらしく、そんなときも同じく「ハオチウ」です。結果的に、中国人は観戦中「ハオチウ」連発になっちゃうんです。※他には「漂亮!」(ピャオ↘リャン ※↘は音階上から下に言う感じ)も言いますね。beautiful!という感じの、やっぱりナイスプレー的な意味。
ちなみに「哎呀~!!」(アイヤ~!!)は、日本人が中国人をイメージする代表的な言葉ですが、これもめちゃくちゃ使います。ギャグじゃないです、普通に使いまくります。アイヨ!!とも言いますね。同じ意味です。「うわー」と「うおー」くらいの違いですね。試合の内容的にはちょっと今日は前半レッズらしさが出しきれてないというか、シャドーに当てれない、縦に入れれない(そのボールを湘南に待たれてる)時間が多かったので、サイドからの展開が多く、それが少しじれったかったようです。もっと早くゴール前に入れろ!」とのこと。気持ちはわかります。もうちょっと待って。今相手ディフェンススライドで走らせてるから。「24番は足が速い。もっと使え。よしボール出た、それでいい。」関根くんのことは少し好きになってくれたみたいです。それとキーパーのああいうキックを生ではじめて見た、と西川のことを興味深く見てました。ちなみに浦和レッズは中国語で浦和红宝石隊(プゥフゥァ┘ホン┘バオシィ┘ドゥイ↘)ですがこのチームのサポーターの歌はとてもすごい、よくまとまっている、と、レッズサポのチャントに感動してくれていました。

毛くん「ほら24番が出した」


イエス!槙野のスーパーゴール。反転から見事に決めてくれました。毛くんは24番関根を良く見ていたので、ラストパスまでの頑張りをすごく評価していました(その前の興梠のアウトの戻しもすごかったけどね)。後半は結構おもしろかったと仰っていただけました。よく世界的に言われがちな球際の弱さも、あまり突っ込まれませんでした。槙野と高山のやりあいと槙野のガッツポーズについてはオム焼きそばを食べてて気付かなかったようです。残念。

毛くん「Sailing素晴らしい!」


毛くん、まあたしかにロッドスチュアートのSailingのメロディーなんだけどさ、これは、浦和レッズの勝利の歌なのだよ。ホームで勝ったら、みんなで選手たちと一体になって、これを歌うんだ。雰囲気にえらく感動してくれていました。試合後もたくさん観客が残っているのも結構驚きだったようです。なおさら勝ってよかったわ、この一体感を毛くんに感じてもらえたのだから。日本のサッカーリーグはアツい!的な話を中国でたくさんしてくれることでしょう。良い体験を、国を超えて繋いでいけたらいいなあ。それを浦和レッズが日本を代表して繋いで行ってくれたらさらに素敵だなあ、と思った日曜の夜でした。
 
※蛇足ながら: 毛くんが選手紹介のときに1枚だけ撮った写真がちょうど槙野で、その選手がゴール決めたんだと後で話して、「わたしの福のおかげですね」と鼻高々にしてました。また来てね。


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